スマートフォンや充電器を選んでいると、「USB PD」「PPS」「GaN」「Qi2」「シリコンカーボン電池」など、さまざまな用語を目にします。これらは充電の規格や端子、充電器の部品、バッテリーの技術など、それぞれ意味が異なります。
この記事では、スマホの充電やバッテリーに関する用語を一覧表で整理し、意味を簡潔に解説します。
充電規格の詳しい仕組みや選び方については、関連記事もあわせてご覧ください。

1. 充電規格・ワイヤレス充電規格
スマホと充電器の間で、どのように電力をやり取りするかを定めた規格です。
| 用語 | 概要 |
|---|---|
| USB PD | USBを利用して電力を供給する規格 |
| PPS | USB PDで電圧を細かく調整する機能 |
| Qi | ワイヤレス充電の国際標準規格 |
| Qi2 | 磁石による位置合わせなどを取り入れたワイヤレス充電規格 |
| UFCS | 複数メーカーの急速充電の互換性向上を目指す充電規格 |
USB PD(USB Power Delivery)
USB Type-Cを利用した電力供給規格です。スマートフォンだけでなく、タブレットやノートパソコンなど幅広い機器で利用されています。
覚えておきたいポイント: 充電器・ケーブル・スマホのすべてが対応する範囲で充電できます。
PPS(Programmable Power Supply)
USB PDの拡張機能のひとつで、充電中の電圧や電流を細かく調整できます。対応するスマホと充電器を組み合わせることで、充電効率や発熱の抑制に役立つ場合があります。
覚えておきたいポイント: PPS対応の充電器を用意するだけでなく、スマホ側もPPSに対応している必要があります。
Qi・Qi2
Qiは、スマートフォンなどのワイヤレス充電に使われる標準規格です。Qi2では磁石による位置合わせなどが導入され、充電効率や使い勝手の向上が図られています。
Qi2には最大15Wの仕様があり、さらに高出力の「Qi2 25W」も登場しています。ただし、実際の充電速度はスマホと充電器の対応仕様によって異なります。
覚えておきたいポイント: ワイヤレス充電対応とQi2対応は同じ意味ではありません。
UFCS(Universal Fast Charging Specification)
スマートフォンや充電器のメーカーをまたいだ急速充電の互換性向上を目指す規格です。中国メーカーを中心に対応製品が展開されています。
覚えておきたいポイント: UFCS対応と、USB PDやメーカー独自の急速充電への対応は別々に確認しましょう。
USB PD・PPS・Qi2などの違いは、以下の記事で詳しく解説しています。
スマホの充電規格を整理|USB PD・PPS・QC・PowerIQ・Qi2の違い

2. 充電器・ケーブルに関する用語
充電器の仕様だけでなく、内部の部品やケーブルの性能も充電環境に関係します。
| 用語 | 概要 |
|---|---|
| GaN | 窒化ガリウム。充電器の小型化や高効率化に役立つ半導体材料 |
| E-Marker | USB Type-Cケーブルの対応能力などを伝える電子部品 |
| 3A・5A | 電流の大きさを表す単位付きの数値 |
GaN(窒化ガリウム)
従来のシリコンに代わる半導体材料のひとつです。充電器に採用することで、電力変換の効率化や小型化に役立ちます。
覚えておきたいポイント: GaN採用だからといって、必ず小型・高出力・低発熱になるわけではありません。製品全体の設計も重要です。

E-Marker(イーマーカー)
USB Type-Cケーブルに搭載される電子部品で、ケーブルの電流対応能力などを接続機器に伝える役割があります。
覚えておきたいポイント: 高出力の充電では、充電器とスマホだけでなく、ケーブルが必要な電力に対応しているかも確認しましょう。
3A・5A(アンペア)
電流の大きさを表す単位がA(アンペア)です。ケーブルや充電器の仕様で「3A対応」「5A対応」などと表示されます。
電力(W)は電圧(V)と電流(A)の組み合わせで決まるため、電流の数値だけで充電速度を判断することはできません。
覚えておきたいポイント: 5A対応ケーブルでも、スマホや充電器が対応していなければ、必ずしも5Aで充電されるわけではありません。
GaNの仕組みや充電器の選び方については、こちらの記事をご覧ください。
3. メーカー独自の急速充電技術
スマートフォンメーカーは、独自の充電技術を採用している場合があります。専用の充電器やケーブルが必要になることもあるため、製品ごとの仕様確認が大切です。
| 用語 | 概要 |
|---|---|
| SUPERVOOC | OPPO系のスマートフォンなどで使われる急速充電技術 |
| HyperCharge | Xiaomi系のスマートフォンなどで使われる急速充電の名称 |
| Samsung Super Fast Charging | Samsung製スマートフォンの急速充電機能の名称 |
| Appleの急速充電 | 対応するiPhoneと充電器・ケーブルの組み合わせで利用できる急速充電機能 |
SUPERVOOC
OPPOや、その関連ブランドのスマートフォンなどで採用されている急速充電技術です。対応する充電器などを使うことで、製品に応じた高出力充電が可能になります。
覚えておきたいポイント: 最大充電速度を利用するには、機種ごとの対応条件を確認しましょう。
HyperCharge
Xiaomi系のスマートフォンなどで使われる急速充電の名称です。対応機種や充電器によって最大出力などの仕様が異なります。
覚えておきたいポイント: 同じブランドでも、すべての機種が同じ充電速度に対応しているわけではありません。
Samsung Super Fast Charging
Samsung製スマートフォンで使われる急速充電機能の名称です。対応機種や充電器の仕様によって、利用できる充電性能が異なります。
覚えておきたいポイント: 「Super Fast Charging」の表記だけで最大出力を判断せず、対応する充電器の仕様も確認しましょう。
Appleの急速充電
対応するiPhoneと充電器・ケーブルを組み合わせることで利用できる急速充電機能です。USB PD対応の充電器が利用されますが、必要な出力やケーブルなどの条件は機種によって異なります。
覚えておきたいポイント: iPhoneの急速充電に、必ずApple純正の充電器が必要というわけではありません。対応条件を満たす製品を選びましょう。
4. 充電器メーカーの技術・名称
充電器メーカーが独自に使用する技術名や、メーカーの製品で使われる充電関連の名称です。共通規格とメーカー独自の名称は区別しておきましょう。
| 用語 | 概要 |
|---|---|
| PowerIQ | Ankerが展開する充電技術の名称 |
| Quick Charge(QC) | Qualcommが展開する急速充電規格 |
PowerIQ
Ankerの充電器などで使われる独自技術の名称です。接続した機器に応じた充電を行うための技術として展開されています。
覚えておきたいポイント: PowerIQはUSB PDなどと同じ業界共通の充電規格名ではありません。
Quick Charge(QC)
Qualcommが展開する急速充電規格です。対応するスマートフォンと充電器を組み合わせることで、規格に応じた急速充電を利用できます。
覚えておきたいポイント: Quick Chargeには複数のバージョンがあり、対応状況や充電性能は機器によって異なります。
PowerIQやQuick ChargeとUSB PDの違いは、充電規格の解説記事で紹介しています。
5. 端子・接続方式
充電器とスマートフォンを接続する端子にも、複数の種類があります。端子の形状と、対応する充電規格やデータ通信の性能は分けて考える必要があります。
| 用語 | 概要 |
|---|---|
| USB Type-C | スマートフォンやパソコンなどで広く使われる接続端子 |
| Lightning | 一部の旧型iPhoneなどで採用されていたApple独自の接続端子 |
USB Type-C(USB-C)
上下の向きを気にせず差し込める形状のコネクターです。充電だけでなく、データ転送や映像出力などにも利用されます。
ただし、USB Type-Cという端子の形状だけでは、充電速度やデータ転送速度までは分かりません。
覚えておきたいポイント: 同じUSB Type-Cでも、製品やケーブルによって対応する機能・性能が異なります。

Lightning
AppleがiPhoneなどに採用してきた独自の接続端子です。近年のiPhoneではUSB Type-Cへの移行が進んでいます。
覚えておきたいポイント: LightningとUSB Type-Cでは端子の形状が異なるため、ケーブルを選ぶ際は接続する機器を確認しましょう。
6. 充電制御・バッテリー保護
充電中の電力の使い方や、バッテリーへの負担を抑える仕組みに関する用語です。
| 用語 | 概要 |
|---|---|
| バイパス充電 | バッテリーへの充電を抑え、外部電源から機器へ電力を供給する仕組み |
バイパス充電
対応機器で、バッテリーを経由する充電・放電を抑えながら、外部電源から本体へ電力を供給する仕組みです。ゲームなど、電源につないだまま長時間使う場面で採用されることがあります。
覚えておきたいポイント: バッテリーの発熱や負担を抑える効果が期待できますが、対応条件や動作は機種によって異なります。
7. バッテリー・蓄電技術
スマートフォンの電池容量や本体の薄型化などに関係する、バッテリーの材料・構造に関する用語です。
| 用語 | 概要 |
|---|---|
| 半固体電池 | 液体電解質を一部含むなど、固体電池と液体電池の中間的な構成を指す用語 |
| シリコンカーボン電池 | シリコン系材料と炭素材料を負極に活用するリチウムイオン電池 |
半固体電池
電解質の一部に液体を含むなど、固体電池と液体電池の中間的な構成を指す言葉です。ただし、業界全体で定義が完全に統一されているわけではなく、メーカーによって呼び方や構造が異なる場合があります。
覚えておきたいポイント: 「半固体」という名称だけで、安全性や寿命、性能を判断することはできません。
シリコンカーボン電池
リチウムイオン電池の負極にシリコン系材料と炭素材料を活用する技術です。シリコンは多くのリチウムを蓄えられるため、電池の高容量化や薄型化への活用が期待されています。
覚えておきたいポイント: シリコンカーボン電池という名称だけで、実際の電池容量や寿命が決まるわけではありません。製品ごとの設計や仕様が重要です。
まとめ
スマホの充電関連用語には、充電規格、充電器やケーブルの技術、メーカー独自の急速充電、端子の形状、バッテリーの材料など、異なる種類の言葉が含まれています。
充電器を選ぶときは、最大出力の数値だけでなく、スマートフォン側の対応規格やケーブルの仕様も確認しましょう。また、バッテリーの技術名についても、名称だけで性能を決めつけず、製品ごとの仕様を確認することが大切です。
USB PD・PPS・Qi2などの充電規格の違いや、充電器の選び方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。てください。



