スマートフォンを使っていると、「神アプリ」「便利アプリ」「おすすめアプリ10選」といった情報をよく見かけます。便利そうなアプリを見つけると、ついインストールしたくなるものです。ところが、いろいろなアプリを試しているうちに、似たような機能のアプリが増え、結局ほとんど使わなくなってしまうことがあります。
メモアプリを入れ替えてみたり、別のメールアプリを試してみたり。写真管理やファイル整理までこだわり始めると、選択肢はどんどん増えていきます。それなのに、しばらく使っていると、結局いつものアプリに戻ってしまう。そんな経験はないでしょうか。
その候補のひとつが、Google製アプリです。Gmail、Googleマップ、Googleフォト、Googleドライブなどは、AndroidだけでなくiPhoneでも利用できます。もちろん、Google製アプリがすべての人にとって最適というわけではありません。iPhoneにはApple純正アプリがあり、Androidにもメーカー独自のアプリがあります。
それでも、いろいろなアプリを試した結果、Google製アプリが普段使いの定番として残るのには理由があります。

アプリは増やせば増やすほど便利になるのか?
スマートフォンの魅力のひとつは、アプリを追加することで、自分好みの使い方に変えられることです。標準機能では物足りない部分を、便利なアプリで補えるのは大きなメリットです。ただし、アプリを増やすことと、スマートフォンが使いやすくなることは必ずしも同じではありません。
例えば、メモアプリを複数使っていると、買い物リストをどこに保存したのか分からなくなることがあります。写真管理アプリを使い分ければ、写真の保存先やバックアップ状況を把握しにくくなることもあります。アプリによっては、バックグラウンドでの同期や通知、通信などが発生し、設定や使い方によってはバッテリーや通信量に影響する場合もあります。ただし、アプリをインストールしただけで、必ずスマートフォンの動作が重くなるわけではありません。アプリの数だけで負荷が決まるわけでもありません。むしろ日常的に感じやすいのは、通知が増えることや、似たような機能が重複すること、必要な情報が複数のアプリに分散することではないでしょうか。
便利なアプリを探すこと自体は悪くありません。しかし、何でも追加するより、使いやすいアプリに絞ったほうが管理しやすくなる場合があります。
Google製アプリが使いやすい理由
Google製アプリの魅力は、単に知名度が高いことではありません。大きな強みのひとつが、Googleアカウントを軸にしたサービス間の連携です。
例えば、スマートフォンで撮影した写真をGoogleフォトでバックアップし、パソコンから確認する。Googleドライブに保存したファイルを、スマートフォンとパソコンの両方から利用する。Google Keepに残したメモを、別の端末から確認する。こうした使い方を、Googleアカウントを中心に組み立てられます。
さらに、Google製アプリの多くはAndroidだけでなくiPhoneでも利用できます。AndroidからiPhoneに機種変更した場合や、反対にiPhoneからAndroidへ移行した場合でも、同じGoogleサービスを使い続けやすいのはメリットです。もちろん、Appleのサービスにも優れた連携機能があります。iPhoneとMacを中心に使っている人なら、Apple純正アプリで統一するほうが便利なこともあります。
大切なのは、どのメーカーのアプリかということより、自分が使っている端末やサービスと無理なく連携できるかどうかです。その選択肢として、Google製アプリはOSを問わず使いやすい存在になっています。
日常使いで本当に役立つGoogle製アプリ6選
Google Keep:メモはシンプルなほうが使いやすい
メモアプリには、Notion、Microsoft OneNote、Evernote、ColorNoteなど、さまざまな選択肢があります。情報を体系的に整理したい人や、仕事で大量の資料を管理したい人には、高機能なメモアプリが向いている場合もあります。
一方、日常生活で使うメモは、もっとシンプルなものかもしれません。買い物リスト、あとで読みたいURL、ちょっとしたアイデア、忘れたくない用事など、短いメモを残したい場面は意外と多いものです。
Google Keepなら、こうしたメモを手軽に作成できます。色やラベルで整理したり、チェックリストを作ったり、画像や音声を使って記録したりすることもできます。Googleアカウントを利用して同期できるため、スマートフォンで作成したメモを、パソコンから確認する使い方にも向いています。
複雑な機能を使いこなす必要がなく、思いついたことをすぐに記録できる。高機能なアプリを試した結果、日常のメモはGoogle Keepで十分だったと感じる人もいるでしょう。
Gmail:メールは後から探せることが大切
メールアプリにも、Outlook、Spark、Yahoo!メールなど、さまざまな選択肢があります。複数のメールアカウントを一括管理したい人や、仕事向けの機能を重視する人には、それぞれのアプリにメリットがあります。
そのうえで、Gmailの便利な点として挙げられるのが、検索機能とGoogleサービスとの連携です。メールは、受信したときだけでなく、数週間後や数か月後に内容を確認したくなることがあります。予約の確認メール、通販の購入履歴、会員登録の案内など、必要なメールを探す機会は少なくありません。Gmailでは、送信者や件名、本文などを手がかりにメールを検索できます。メールが増えても、検索を活用することで必要な情報を探しやすくなります。また、迷惑メールの判定や、パソコンのブラウザから利用できる点も便利です。
GmailはAndroidだけでなくiPhoneでも利用できます。iPhoneの標準メールアプリからGmailのアカウントを利用することもできますが、GmailアプリならGoogle独自の機能や画面構成をそのまま使えます。普段からGoogleサービスを利用しているなら、メールもGmailにまとめることで管理しやすくなる場合があります。

Googleマップ:場所を調べるだけで終わらない
地図アプリには、Yahoo!マップ、NAVITIME、Appleマップなどがあります。徒歩や車での移動、公共交通機関の経路検索など、目的によって使いやすいアプリは異なります。その中でもGoogleマップは、地図と経路検索に加え、店舗や施設を探す用途にも使いやすいサービスです。
例えば、初めて訪れる街で飲食店を探すとき、店名だけでなく、口コミや写真、営業時間などを確認できます。ストリートビューを使えば、周辺の景色を事前に確認することも可能です。単に目的地までの道順を調べるだけでなく、「近くに何があるのか」「この店はどんな雰囲気なのか」といった情報までまとめて確認しやすいのが魅力です。
こうした機能はAndroidだけのものではありません。iPhoneでもGoogleマップをインストールして利用できます。Appleマップも進化しており、iPhoneとの連携や使い勝手に魅力があります。一方、店舗情報や口コミなどを重視する人にとっては、Googleマップが便利な場面も多いでしょう。
地図アプリをいくつも使い分けなくても、普段の場所探しから移動までGoogleマップで済ませられる場面は多くあります。

Googleフォト:昔の写真を探しやすい
スマートフォンで撮影した写真は、気づけば何千枚、何万枚と増えていきます。撮影した直後は覚えていても、数年前の写真となると、いつ撮ったのか、どこに保存したのか分からなくなることもあります。
Googleフォトの便利なところは、写真のバックアップだけでなく、過去の写真を探す機能にもあります。バックアップされた写真は、撮影日などから振り返ることができます。また、画像認識を利用した検索機能により、「犬」「海」「食事」など、写真に写っているものを手がかりに探せる場合もあります。
例えば、旅行先で撮影した写真を探したいとき、撮影した日付を正確に覚えていなくても、場所や写っているものから見つけられる可能性があります。さらに、バックアップが完了していれば、スマートフォンだけでなくパソコンなどから写真を確認することもできます。
ここで気になるのが、iPhoneにはApple純正の「写真」アプリとiCloud写真があることです。iPhoneとMacを中心に使っている人なら、iCloud写真で統一するのが自然な選択でしょう。一方、GoogleフォトはAndroidやパソコンなど、異なる環境でも写真を扱いたい人に向いています。
ただし、Googleフォトを使えばiCloudの容量が自動的に増えるわけではありません。GoogleフォトへのバックアップにはGoogleアカウントの保存容量が使われ、GoogleドライブやGmailなどと共有されます。また、iPhoneでGoogleフォトを使う場合も、写真へのアクセス権限やバックアップ設定などを確認する必要があります。
どちらが優れているかというより、普段使っている端末や、写真をどこで管理したいかによって選ぶとよいでしょう。

Googleドライブ:スマホとパソコンのファイルをつなぐ
写真だけでなく、文書やPDF、仕事の資料などをスマートフォンで扱う機会も増えています。そんなときに便利なのがGoogleドライブです。Googleドライブにファイルを保存しておけば、スマートフォンやパソコンなど、対応する端末からアクセスできます。
例えば、パソコンで作成した資料を外出先でスマートフォンから確認したり、スマートフォンで受け取ったファイルをパソコンで開いたりできます。メールにファイルを添付して自分宛てに送ったり、複数の端末に同じファイルを保存したりする手間を減らせるのがメリットです。ファイルやフォルダをほかの人と共有する機能もあり、仕事や個人的な資料の受け渡しにも活用できます。
GoogleドライブはAndroidとiPhoneの両方に対応しているため、異なるOSの端末間でファイルをやり取りするときにも便利です。もちろん、AppleのiCloud DriveやMicrosoftのOneDriveなどにも同様の機能があります。すでにiCloudやOneDriveを中心に利用しているなら、無理にGoogleドライブへ移行する必要はありません。
ただ、GmailやGoogleフォトなどを日常的に使っている人なら、ファイル管理もGoogleドライブにまとめることで、使い勝手がよくなる場合があります。なお、Googleアカウントの無料保存容量には上限があり、GmailやGoogleフォトなどと共有されます。大量のファイルを保存する場合は、空き容量にも注意が必要です。
Gboard:文字入力は毎日使うからこそ大切
キーボードアプリは、スマートフォンを使うたびに触れる機能です。Androidでは、Gboardのほかにも、Simeji、ATOK、Microsoft SwiftKeyなどを選べます。iPhoneでも、標準キーボード以外のキーボードアプリを利用できます。ただし、利用できる機能や設定にはOSによる違いがあります。
Gboardの特徴は、Google検索や音声入力などの機能を利用できることです。対応する環境では、翻訳などの機能も使えます。特に音声入力は、長い文章を入力したいときや、手で入力するのが面倒なときに便利です。もちろん、日本語変換の好みや入力の癖によっては、ほかのキーボードのほうが使いやすいと感じる人もいるでしょう。
また、iPhoneでは標準キーボードの使いやすさや、OSとの連携を重視する人もいます。キーボードは毎日使うものだからこそ、自分に合ったものを選ぶのが一番です。特別なカスタマイズを必要とせず、Googleの入力機能を使いたいなら、Gboardは候補のひとつになります。

Google製アプリだけで統一する必要はない
ここまでGoogle製アプリの便利さを紹介してきましたが、すべての用途でGoogle製が最適というわけではありません。
例えば、iPhoneとMacを中心に使っている人なら、Apple純正のメモ、メール、写真、iCloud Driveなどで統一するほうが便利なことがあります。Windowsパソコンを使っていて、仕事でMicrosoft 365を利用しているなら、OutlookやOneDriveなどを中心にする選択肢もあります。
また、複雑な情報をデータベースのように管理したいならNotion、仕事のノートを体系的にまとめたいならOneNoteなど、目的に特化したアプリが向いている場合もあります。
Google製アプリにも広告が表示されることがあり、保存容量の制限や有料プランなどの条件もあります。大切なのは、Google製アプリだけに統一することではありません。普段使っているGoogleサービスとの連携を活かしながら、必要な機能だけ別のアプリで補う。そんな使い方でも十分です。
便利なアプリを探すことが目的になってしまい、アプリの管理に時間を取られるようでは本末転倒です。自分が必要とする機能を見極め、使いやすいアプリを残していくことが大切です。
まとめ:アプリを増やすより、使い慣れた定番を活かす
スマートフォンには、便利なアプリが数多くあります。新しいアプリを試すことで、今までできなかったことが簡単にできるようになる場合もあります。
しかし、機能が豊富だからといって、自分にとって使いやすいとは限りません。
日常的なメモならGoogle Keep、メールならGmail、場所探しならGoogleマップ、写真の管理ならGoogleフォト、ファイルの共有ならGoogleドライブ。こうした定番のアプリだけでも、日々のスマートフォン利用を十分にカバーできる人はいるでしょう。Googleアカウントを中心にサービスを連携でき、スマートフォンとパソコンの両方から使いやすいことも、Google製アプリの強みです。
そして、こうしたメリットはAndroidユーザーだけのものではありません。iPhoneでもGoogle製アプリを利用できるため、Appleのサービスと組み合わせたり、用途によって使い分けたりすることもできます。もちろん、別のアプリのほうが使いやすいと感じるなら、無理に乗り換える必要はありません。
ただ、便利そうなアプリを次々と追加する前に、今使っているアプリで本当に困っているのかを考えてみるのもよさそうです。いろいろなアプリを試した結果、結局、使い慣れた定番のアプリに戻る。それは、新しいアプリが役に立たなかったということではなく、自分に必要な機能が分かってきたということなのかもしれません。

