スマホを購入するとき、「補償サービスに入りますか?」と案内されることがあります。月額数百円から1,000円以上を支払うことで、画面割れや故障、水濡れなどのトラブルに備えられるサービスです。
ただ、スマホの補償にはいくつかの選択肢があります。
- キャリアの補償サービス
- AppleCare+などのメーカー保証
- モバイル保険
- 街の修理店
では、どれを選ぶのが得なのでしょうか。
実は、「高い補償に入っておけば安心」という単純な話でもありません。スマホの価格や使い方によって、向いている選択肢は変わります。
この記事では、月額料金だけではなく、
- 修理時の自己負担
- 補償範囲
- 修理・交換までの時間
- データ移行の手間
- 機種変更後の扱い
- キャリアを乗り換えた場合
- 長期間使った場合の総額
まで含めて比較します。

まず結論
ざっくり分けると、次のように考えると分かりやすいでしょう。
| 選択肢 | 向いている人 |
|---|---|
| キャリア補償 | 交換の早さや紛失・盗難まで含めて安心したい |
| メーカー保証 | iPhoneなどをメーカー基準で修理したい |
| モバイル保険 | 月額を抑えつつ、修理費用に備えたい |
| 街の修理店 | 必要なときだけ修理費を払いたい |
そして、もう一つ重要なのが、「補償に入らない」という選択肢もあるということです。
例えば、比較的安価なスマホを数年間使う予定で、これまでほとんど壊したことがない人なら、毎月補償料を払い続けるより、故障時に修理代を払ったほうが結果的に安くなることもあります。
キャリア補償は「修理」より「交換」が強い
ドコモ、au、ソフトバンクなどのキャリアが提供する補償サービスの大きなメリットは、故障時の対応が早いことです。
例えばドコモの「smartあんしん補償」では、故障や水濡れ、全損などの場合に交換電話機を申し込め、最短当日~2日以内に届けるサービスがあります。月額料金は機種などによって異なり、交換時には5,500円~12,100円などの負担金が設定されています。
ソフトバンクでも、現在は機種によって「あんしん保証パック ネクスト T」などが用意されており、例えばGalaxy S26やPixel 10などでは月額1,190円、Pixel 9 Pro Foldなどでは月額1,980円となっています。
つまりキャリア補償は、「壊れたスマホを安く修理する」というより、「スマホが使えない期間を短くする」ことに価値があります。
キャリア補償の注意点
一方で、毎月の料金は決して安くありません。例えば月額1,000円なら、1年間で12,000円。3年間で36,000円です。さらに、実際に交換や修理を利用すると別途負担金が発生する場合があります。そのため、「補償を一度も使わなかった」という人にとっては、かなり大きな出費になります。
また、交換対応では端末が別の個体になるため、バックアップやデータ移行、各種アプリの再設定などが必要になる場合があります。
AppleCare+はiPhoneとの相性がいい
iPhoneを使っているなら、Appleの「AppleCare+」も代表的な選択肢です。AppleCare+では、偶発的な損傷について修理・交換を受けられます。現在のiPhoneでは、画面または背面ガラスの損傷は3,700円、その他の偶発的な損傷は12,900円のサービス料が設定されています。盗難・紛失プランでは盗難・紛失時にも12,900円の自己負担額があります。
さらにAppleCare+では、エクスプレス交換サービスも利用できます。これは交換機を先に受け取り、その後に故障したiPhoneを返送する仕組みです。Appleによれば、多くの製品でエクスプレス交換サービスを利用できます。そのため、「iPhoneをメーカーのサービスで安心して直したい」という人には非常に分かりやすい選択肢です。
ただし、AppleCare+も月額料金がかかるため、長期間一度も故障しなければ、その分の費用は発生します。
もう一つの選択肢が「モバイル保険」
ここで候補に入ってくるのが、スマホ専門の保険です。代表的なものの一つが、モバイル保険です。
モバイル保険は、月額700円で利用でき、1契約で最大3台の端末を登録できます。現在の補償内容では、年間最大15万円まで修理費用を補償。しかも修理時の自己負担はありません。
モバイル保険の特徴
主な特徴をまとめると、
- 月額700円
- 最大3端末まで登録可能
- 年間最大15万円まで補償
- 修理時の自己負担なし
- 故障・外装破損・損壊・水濡れ・盗難などが対象
- 機種変更後も登録端末を変更して継続可能
となっています。
ここがキャリア補償やAppleCare+とは少し違うところです。
3台まで登録できるのが大きな特徴
モバイル保険では、主端末1台+副端末2台の合計3台まで登録できます。
例えば、
- メインのスマホ
- タブレット
- ワイヤレスイヤホン
という組み合わせも可能です。ただし、3台すべてが同じ補償額ではありません。主端末は修理可能な場合、年間最大15万円。副端末2台は合計で年間最大4万5,000円です。そのため、高額なスマホを主端末にするという使い方が基本になります。
モバイル保険は「修理費用」に強い
モバイル保険を考えるうえで重要なのが、「交換機を用意してもらうサービス」ではなく、基本的には「修理費用を補償する保険」だという点です。
つまり、
キャリア補償→ 交換して早く復旧
モバイル保険→ 修理して費用を補償
という違いがあります。ここは意外と重要です。「とにかく翌日にはスマホを使いたい」という人ならキャリア補償のほうが便利な場合があります。一方で、「修理費用が高くなるのが怖い」という人にはモバイル保険が候補になります。
モバイル保険はキャリアを乗り換えても使いやすい
モバイル保険のもう一つの特徴は、キャリアの契約そのものに縛られにくいことです。例えば、ドコモ → 楽天モバイル → povoと通信会社を変更しても、補償対象端末の条件を満たしていれば保険を継続できます。これは、SIMフリー端末やオンライン専用プラン、格安SIMなどを利用する人にとってもメリットになります。スマホの買い替え時も、マイページから補償対象端末を変更できます。
ただし「モバイル保険なら何でも補償」ではない
モバイル保険にも条件があります。例えば、補償対象として登録できる端末は、日本国内で販売されたメーカー純正の無線通信端末など、一定の条件を満たす必要があります。また、登録時点で正常に動作していることなどの条件があります。さらに、紛失は補償対象ではありません。
盗難は補償対象ですが、「どこかに置き忘れて見つからない」という紛失とは扱いが異なります。また、バッテリーの自然な劣化など、すべての故障が補償されるわけではありません。契約前には補償条件を確認しておきましょう。
月額700円でスマホの修理費用に備えるなら
キャリアの補償サービスとは別に、スマホを含むモバイル端末をまとめて補償できる「モバイル保険」という選択肢もあります。
街の修理店は「必要なときだけ払える」
そして、もう一つ忘れてはいけないのが街の修理店です。画面割れやバッテリー交換などでは、メーカーや正規サービスプロバイダだけでなく、街の修理店という選択肢もあります。修理内容によっては、その日のうちに修理が完了するケースもあります。特に画面交換やバッテリー交換など、比較的作業内容が明確な修理では便利です。
街の修理店のメリット
最大のメリットは、壊れたときだけお金を払えばいいことです。補償サービスなら、月額料金を毎月支払う。故障したら自己負担金を支払うという形になります。
街の修理店なら、故障しなければ0円。壊れたら修理料金を支払うという考え方ができます。ただし、修理店によって技術や使用部品、保証内容などが異なります。また、非正規修理ではメーカー保証や防水性能などに影響する可能性もあるため、修理前に確認が必要です。
「補償に入らない」も立派な選択肢
ここも意外と重要です。例えば5万円程度のスマホを3年間使うとして、月額700円の補償に加入すると、700円 × 36か月=25,200円になります。一度も故障しなかった場合、この25,200円はそのまま補償料です。もちろん、故障したときの安心を買っているので「無駄」とは言えません。
しかし、
- これまでスマホをほとんど壊したことがない
- 安価なスマホを使っている
- ケースやフィルムでかなり気をつけている
- 故障時には自分で修理費を払える
という人なら、補償に入らず、故障時に修理費を払うという選択も十分ありです。
どれを選べばいい?
ここまでを簡単にまとめると、
キャリア補償がおすすめ
- スマホが使えない期間を短くしたい
- 交換サービスを利用したい
- 紛失・盗難にも備えたい
- 高額スマホを使っている
- 折りたたみスマホを使っている
- 子どもにスマホを持たせている
AppleCare+などがおすすめ
- iPhoneを使っている
- メーカー純正のサポートを重視したい
- Appleの修理・交換サービスを利用したい
- 盗難・紛失まで含めて備えたい
モバイル保険がおすすめ
- 月額料金を抑えたい
- 修理費用を補償してほしい
- SIMフリー端末を使っている
- キャリアを乗り換えることがある
- スマホ以外の端末もまとめて補償したい
- 家族の端末など複数台をまとめて考えたい
街の修理店がおすすめ
- 補償料を毎月払いたくない
- 画面割れやバッテリー交換が中心
- 近くに信頼できる修理店がある
- 必要なときだけ修理費を払いたい
補償なしでもいい人
- 比較的安価なスマホを使っている
- 今までほとんど壊したことがない
- 故障時の修理費を貯めておける
- 数年で買い替える予定
補償は「修理代」だけで比較しない
スマホの補償を選ぶとき、「月額いくら?」だけで決めるのはおすすめできません。重要なのは、故障したときに何をしてもらえるのかです。さらに、「スマホが使えない時間」もコストとして考える必要があります。仕事で毎日スマホを使う人と、多少使えない期間があっても困らない人では、同じ補償でも価値が変わります。
まとめ
スマホの補償は、「入る・入らない」だけで考えるものではありません。大切なのは、自分がスマホに何を求めるかです。すぐに交換して復旧したいならキャリア補償。メーカーによるサポートを重視するならAppleCare+など。修理費用を抑えながら複数の端末をまとめて補償したいならモバイル保険。必要なときだけ修理したいなら街の修理店。そして、壊す可能性が低く、故障時の費用を自分で負担できるなら、あえて補償に入らないという選択肢もあります。
スマホの価格が高くなった現在では、「月額いくらか」だけでなく、補償料+故障時の自己負担+復旧までの時間まで含めて考えると、自分に合った補償が選びやすくなります。
月額700円で最大3台まで登録でき、修理費用は年間最大15万円まで補償。修理時の自己負担金はありません。キャリアの補償サービスに加入していないSIMフリー端末や、複数のモバイル機器をまとめて補償したい場合にも検討しやすいサービスです。

