スマートフォンのスペック表を見ると、
- 4G LTE
- 5G NR
はよく見かけます。
しかしその前には、
- 1G
- 2G
- 3G
という“携帯通信の世代”が存在しました。
そして実はこの歴史は、
- アナログ vs デジタル
- GSM vs CDMA
- 世界統一 vs 独自規格
といった「通信方式の進化と競争」の歴史でもあります。
今回は、1G〜3Gが「どんな技術」で、「いつ頃使われ」、「何が変わったのか」を、通信規格の流れと合わせて整理してみます。

携帯通信のざっくり年表
| 時代 | 主な世代 | 主流技術 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1970s〜1980s | 1G | アナログ方式 | 音声通話のみ |
| 1990s | 2G | GSM / cdmaOne | デジタル化・SMS |
| 2000s | 3G | W-CDMA / CDMA2000 | モバイルネット普及 |
| 2010s | 4G | LTE | スマホ全盛 |
| 2020s〜 | 5G | NR | 超高速・低遅延 |
1G(第1世代)
アナログ携帯電話の時代
時期
1979年〜1990年代前半
特徴
- 音声通話のみ
- アナログ通信
- 非常に大型
- セキュリティが弱い
1Gは現在のスマートフォンへ繋がる“最初の携帯電話世代”です。
まだデータ通信という概念はほぼなく「外で電話できる」こと自体が革新的でした。
世界初の商用セルラーは日本?
1979年、NTT の前身である電電公社は東京23区で自動車電話サービスを開始しました。
これは「世界初の商用セルラー方式携帯電話サービス」として広く知られています。
“セルラー方式”とは何か
携帯電話は広いエリアを小さな基地局エリア(セル)に分割して運用します。
これにより、
- 同じ周波数を再利用できる
- 多人数同時接続が可能
- 移動しながら通話できる
という現在の携帯電話の基本構造が成立しました。
つまり1979年の日本は“現代携帯電話の基本形”を世界で最初に商用化したという点で非常に重要です。
ただし「世界初」には少し注意点もある
実験システムや限定的な移動通信は、それ以前にも海外に存在しました。
そのため、
- 「完全な世界初」
- 「何をもって商用化とするか」
には多少議論があります。
ただ“本格的な商用セルラー網”として日本が非常に早かったのは事実です。
1G時代から使われた「800MHz帯」
日本の初期セルラーでは、
現在の携帯電話でも重要な「800MHz帯」が使われていました。
これは、「周波数が800MHzの電波」という意味です。
携帯電話では、この“周波数”によって電波の性質が変わります。
800MHz帯のような比較的低い周波数は、
- 遠くまで飛びやすい
- 建物に強い
- 山間部に強い
という特徴があります。
現在でも日本では、このような低周波数帯は「プラチナバンド」として重要視されています。
つまり今のスマホで使われている“エリア重視の周波数”の考え方は、1G時代から既に存在していたとも言えます。
2G(第2世代)
デジタル化と“規格戦争”の時代
時期
1990年代前半〜2000年代後半
2G最大の特徴は、「音声通信のデジタル化」です。
これにより、
- 音質向上
- SMS
- 小型化
- バッテリー改善
- セキュリティ向上
が一気に進みました。
携帯電話が一般ユーザーへ急速に普及したのもこの時代です。
GSM vs CDMA
世界で通信規格が割れていた
現在はLTEや5Gによってかなり統一されていますが2G〜3G時代は世界で通信方式が割れていました。
GSM陣営(欧州中心)
欧州主導で標準化されたのが「GSM」です。
特徴
- SIMカード採用
- 国際ローミングしやすい
- 世界展開に成功
GSMは最終的に世界最大勢力になります。
現在でもスマホ仕様で、
- GSM 850
- GSM 900
- GSM 1800
- GSM 1900
などを見かけることがあります。
実は今のスマホも2G GSM対応が多い
ここは意外と知られていません。
現在発売されるグローバルスマホでも、
- GSM
- W-CDMA
- LTE
- NR
をまとめてサポートしている機種は珍しくありません。
理由は、
- 一部(海外)地域で2Gが現役
- IoT用途
- 音声フォールバック
- 発展途上国向け
などがあるためです。
ただし日本で使われなくなった
日本ではGSM方式は採用されませんでした。
さらに現在は、
- 3G完全終了
- VoLTE前提
- LTE/5G中心
になっているため、(国内での利用では)「2G GSM対応」の必要性は無くなっています。
CDMA陣営
一方で、
- 日本
- アメリカ
- 韓国
などではCDMA系も強力でした。
代表例は、
- cdmaOne
- CDMA2000
です。
CDMAは“効率が良い”とされた
CDMAは「同じ周波数を複数ユーザーで共有しやすい」という特徴があり、当時としては非常に先進的でした。
日本では特に、au系で強く採用されていました。
日本の“ガラケー文化”もこの時代
2G〜3G時代の日本では、
- iモード
- EZweb
- 着メロ
- ワンセグ
- おサイフケータイ
など、独自進化した携帯文化が発展しました。
特に NTTドコモ のiモードは、「携帯でインターネットを使う文化」を日本で定着させた存在です。
3G(第3世代)
“携帯インターネット”本格化の時代
時期
2000年代前半〜2020年代前半
3Gでは携帯通信が本格的にインターネット中心へ変化します。
3Gでも規格が割れる
3G時代も実は完全統一されていませんでした。
W-CDMA系
欧州・日本系
代表:
- FOMA
- SoftBank 3G
CDMA2000系
アメリカ・au系
代表:
- au CDMA 1X
- EV-DO
“昔はSIMを挿しても動かない”時代だった
現在はSIMフリー端末が一般的ですが昔はかなり事情が違いました。
- ドコモ版しか使えない
- au版SIMが使えない
- 海外で圏外になる
といった問題が多発。
これは通信方式そのものが違っていたためです。
つまり当時は、“周波数だけでなく通信規格自体が別物”だった時代でもありました。

LTEで世界統一へ近づく
4G LTE時代になると世界がかなりLTEへ集約されます。
これにより、
- SIMフリー化
- 海外利用
- グローバルスマホ
が一気に進みました。
現在のスマホが比較的自由に使えるのは、LTE時代の“規格統一”の恩恵がかなり大きいです。
まとめ
| 世代 | キーワード |
|---|---|
| 1G | アナログ音声 |
| 2G | GSM vs CDMA |
| 3G | モバイルネット |
| 4G | LTE統一 |
| 5G | 超高速化 |
現在のスマートフォンは、長い「通信規格競争」の歴史の上に成り立っています。
そして、
- GSM
- CDMA
- W-CDMA
- LTE
などの名前は今でもスマホに搭載され続けている技術であり、対応バンド表や通信仕様にも表記され続けています。

