
スマホのカメラ性能を語るうえで、高価格帯のスマホを中心に見かける「1インチセンサー」。しかし、1インチってどのくらい!?大きいと何が違うのか!?このあたりは意外と知られていません。
この記事では
・「1インチ」の正体
・センサーサイズと画質の関係
・価格帯ごとの違い
・センサーメーカーの特徴
までまとめて解説します。
目次
「1インチ」の正体|実際は1インチではない
カメラ業界で使われる「1インチ」は、実際の長さとは異なる規格です。もともとは昔の撮像管(真空管)の外径に由来しており、現在もその名称が使われており実際の受光面の対角が1インチというわけではありません。
実際のサイズは以下の通りです。
・横:約13.2mm
・縦:約8.8mm
・対角:約16mm
約1.6cmクラスのセンサーです。
身近なサイズ感
・小指の爪(成人男性の)と同じくらい!?
見た目はもちろん小さく感じますがスマホの中ではかなり大きな部類ですし、精密な微細パーツのつまったスマートフォンの中へ、わざわざ大きいパーツを使うという事にはもちろんパフォーマンスとコストの関係が関わってきます。
一般的なスマホセンサーとの違い
多くのスマホに搭載されているセンサーは以下のサイズです。
・1/2.5インチ
・1/3インチ
実寸の目安は
・1/2.5インチ:約0.7cm
・1/3インチ:約0.6cm
これに対して
・1インチ:約1.6cm
長さだけでも約2倍以上、面積では4〜6倍以上の差があります。
センサーが大きいと何が変わるのか
センサーサイズが大きいほど光を多く取り込めます。
その結果、夜景に強くなる・ノイズが減る・自然なボケが出るなどソフト処理ではなく物理的に画質が向上します。
スマホのランク別|センサーサイズの違い
スマホは価格帯によってセンサーの傾向がはっきり分かれます。
廉価モデル(エントリー)
サイズ目安:1/2.5インチ〜1/3インチ
特徴
・日中は十分きれい
・夜はノイズが出やすい
・ボケは弱め
代表的なセンサー
・Sony IMX355(Sony)
・Samsung ISOCELL JN1(Samsung Electronics)
・OmniVision OV50D(OmniVision)
コスト重視の構成です。
ミドルレンジ
サイズ目安:1/1.5インチ〜1/2インチ
特徴
・夜景モードが実用レベル
・ボケも自然になってくる
代表的なセンサー
・Sony IMX766(Sony)
・Sony LYT-600(Sony)
・Samsung ISOCELL GN5(Samsung Electronics)
コスパと画質のバランスが良いゾーンです。
ハイエンド(フラッグシップ)
サイズ目安:1/1.3インチ〜1インチ
特徴
・暗所に非常に強い
・オートフォーカスが高速
・一眼に近いボケ表現
代表的なセンサー
・Sony IMX989(Sony)
・Sony LYT-900(Sony)
・Samsung ISOCELL HP2(Samsung Electronics)
スマホでありながらカメラに近い領域です。
スマホカメラの主要センサーメーカー
現在のスマホ市場は主に3社が支えています。
Sony
・世界シェア1位
・多くのハイエンド機に採用
・高感度と高速処理に強み
Samsung
・高画素センサーが得意
・ズームや解像感に強み
OmniVision
・コストパフォーマンスが高い
・中価格帯やサブカメラで活躍
なぜソニー製センサーが強いのか
最大の理由は、光の処理能力と読み出し速度です。
Sony は積層型センサー(Exmor RS)・2層トランジスタ画素(LYTIA)といった先進技術をいち早く実用化しています。
またApple が長年採用していることも信頼性の高さを示しています。
Nikon・Canonはなぜスマホに参入しないのか
Nikon
・センサーは外部(主にSony)から調達
・色作りやレンズが強み
Canon
・センサー開発は可能
・主に一眼や業務用途向け
スマホ市場は小型化・薄型化・コスト競争が重要です。
一方でカメラメーカーは大型センサー・画質最優先という方向性のため、分野が大きく異なります。
結論
・1インチは実寸ではないが大型センサー
・センサーサイズは画質に直結する
・価格帯でセンサー性能は大きく変わる
・迷ったらソニー製センサーが安定
・NikonやCanonは別ジャンルの強者