5Gには大きく分けて3つの電波タイプがあります。
- プラチナバンド(低周波)
- Sub6(中周波)
- ミリ波(高周波)
この3つは「周波数の違い=電波の性質の違い」であり、「つながりやすさ」と「速度」に大きな差があります。
なお、厳密にはプラチナバンドも「6GHz未満」の周波数なので広義ではSub6系統に含まれます。
ただし一般的な5G解説では、
- 700MHz〜900MHz帯 → プラチナバンド
- 3.7GHz帯・4.5GHz帯 → Sub6
として分けて説明されることが多いため、本記事でも別カテゴリとして整理しています。
5G周波数帯の違い
| 種類 | 周波数帯 | 特徴 | つながりやすさ | 速度 |
|---|---|---|---|---|
| プラチナバンド | 700〜900MHz帯 | 屋内・地下に強い | 非常に高い | 中速 |
| Sub6 | 3〜6GHz帯中心 | 5Gの主力帯域 | 高い | 高速 |
| ミリ波 | 28GHz帯〜 | 超高速通信 | 低い | 超高速 |
※上記は一般的な特徴であり、基地局配置や環境によって変化します。
5Gプラチナバンド
5Gプラチナバンドは、4Gで使われてきた「障害物に強い低周波帯」を5Gへ転用したものです。
高速通信が得意なSub6中帯域やミリ波は、どうしてもエリアが狭くなりやすいため、その弱点を補う役割を持っています。
特徴
- 700MHz〜900MHz帯を使用
- 建物内・地下・山間部に強い
- 障害物を回り込みやすい
- 広範囲をカバーしやすい
メリット
- 「つながりやすさ」が大幅に向上
- 4Gエリア並みの安定感を5Gでも実現しやすい
- 5Gの低遅延・多接続の恩恵を利用可能
注意点
広範囲をカバーしやすい反面、通信帯域幅が比較的狭いため、Sub6中帯域やミリ波ほどの超高速通信には向きません。
そのため、
- 「広くつながる」
- 「安定する」
ことを重視した帯域と言えます。
各社の状況
- 楽天モバイル:700MHz帯(Band 28)で整備中
- ドコモ・au・ソフトバンク:既存4G帯の5G転用を拡大中
Sub6
Sub6は、5Gの普及初期からエリア展開の中心となっている帯域です。
名称の通り「6GHz未満」の周波数帯を指し、主に3.7GHz帯・4.5GHz帯などが使われています。
現在の5Gの“主力”と言える存在です。
特徴
- ミリ波より遠くまで届く
- 障害物に比較的強い
- 屋内でも利用しやすい
- 速度とエリアのバランスが良い
メリット
- 高速通信が可能
- 低遅延
- 少ない基地局でも広いエリア展開が可能
- 既存4G設備を活用しやすい
ミリ波との違い
| 比較項目 | Sub6 | ミリ波 |
|---|---|---|
| 速度 | 高速 | 超高速 |
| 到達距離 | 長い | 短い |
| 障害物耐性 | 強い | 弱い |
| エリア | 広い | 狭い |
ミリ波
ミリ波は、28GHz帯などの高周波数帯を利用する5Gです。
5Gの性能を最大限発揮できる帯域であり、数Gbps級の超高速・大容量通信を実現できます。
一方で、非常にクセの強い電波でもあります。
特徴
- 超高速通信
- 大容量通信
- 低遅延
- 多数同時接続に強い
弱点
- 障害物に非常に弱い
- 壁や人体でも減衰しやすい
- 雨の影響も受けやすい
- 到達距離が短い
そのため、広範囲をカバーする用途には向いていません。
主な利用場所
- 駅
- スタジアム
- イベント会場
- 人が集中する都市部
など、“ピンポイント強化”として使われています。
現状
各キャリアが展開を進めていますが、エリアはまだ限定的です。
また、ミリ波対応スマートフォンも、一部のハイエンド機種に限られています。
なぜわざわざ分けて呼ぶのか?
本来、プラチナバンドも広義ではSub6系統に含まれます。
それでも分けて呼ばれる理由は、役割がまったく違うからです。
| 種類 | 主な役割 |
|---|---|
| プラチナバンド | エリアを広げる |
| Sub6(中帯域) | 速度と安定性のバランス |
| ミリ波 | 超高速通信 |
つまり、同じ5Gでも「別物レベルで性格が違う電波」が混在しています。
キャリアの実際の使い分け
日本のキャリアは、これらを組み合わせてエリアを構築しています。
- プラチナバンド → つながりやすさ重視
- Sub6 → メイン通信
- ミリ波 → 混雑地点の強化
特に最近は、
- 楽天モバイル:プラチナバンド整備中
- ドコモ / au / ソフトバンク:既存帯を5G転用
という形で、“つながりやすさ”の改善が進んでいます。
まとめ
- Sub6は「6GHz未満」の総称
- プラチナバンドはその中の低周波帯
- ミリ波は別系統の高周波帯
そして最も重要なのは、5Gは「1種類の電波」ではなく、“性質の違う電波を組み合わせた仕組み”で動いているという点です。
「5Gなのに遅い」「5Gなのに圏外になる」と感じるのは、端末がどの種類の5Gを掴んでいるかによって体感差が大きいためです。