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スマホで「ギガを使わずにテレビ」は可能だった? NOTTVとモバHO!の仕組みと終了理由

現在、スマートフォンで動画を見るといえばYouTubeTVerNetflixといった「通信(ストリーミング)」が主流です。

しかし過去には通信量を一切使わずに動画が見られるという、今とは異なる仕組みのサービスが存在していました。

それが、NOTTV(ノッティーヴィー)と、モバHO!(モバイル放送)です。


NOTTVとは何だったのか

NOTTVは、NTTドコモ が2012年に開始したスマートフォン向けの放送サービスですが、わずか4年ほどの期間のみで2016年6月30日にサービスを終了しました。

通信ではなく「放送」

NOTTVの最大の特徴は通信ではなく放送であるという点です。

一般的な動画サービスは基地局とスマートフォンが個別に通信する・必要なデータをその都度取得するという仕組みです。

一方、NOTTVは電波を一斉に送信する・端末はそれを受信するだけというテレビと同じ「放送型」の仕組みでした。そのため通信量は一切かかりませんでした。

使用していた電波(重要ポイント)

NOTTVが使用していたのは地上デジタル放送への移行で空いたVHF帯(V-High帯)の周波数です。もともと日本のテレビ放送はVHF帯(主にアナログテレビ初期〜中期)
UHF帯(後期・地方局など)の両方を使用していました。

しかし地デジ化によりテレビ放送はUHF帯に集約されました。その結果VHF帯の一部が使われなくなり、空き周波数となりました。NOTTVはこの旧アナログテレビ放送で使われていたVHF帯の空き領域を利用してサービスを提供していました。

VHF帯の特性

VHF帯はUHF帯と比較して電波が遠くまで届きやすい・障害物に回り込みやすい

という特徴があります。そのため少ない送信設備でも広いエリアをカバーしやすいという利点がありました。

一方でスマートフォンへのアンテナ内蔵が難しいことや専用チューナーが必要といった課題もありました。

ISDB-Tmm方式とは

NOTTVはISDB-Tmm(マルチメディア放送)という方式を採用していました。これは地上デジタル放送(ISDB-T)をベースにモバイル向けに拡張した規格です。特徴として複数チャンネルの同時配信や映像とデータの統合配信が可能でした。


蓄積型放送(シフトタイム視聴)

NOTTVの大きな特徴が蓄積型放送です。

これは深夜など利用の少ない時間帯に端末へ番組データを自動配信し端末内に保存をするという仕組みです。

そのため通信を使わず好きなタイミングで再生できるという放送とオンデマンドの中間のような視聴体験を実現していました。


なぜNOTTVは終了したのか

技術的には優れていましたが、普及には至りませんでした。

iPhoneが非対応

当時急速に普及していたiPhoneがNOTTVに対応していませんでした。理由は専用受信チューナーが必要・アンテナ設計が必要だったためです。

端末依存の制約

NOTTVは対応端末でしか視聴できないという制約がありました。

アプリだけで利用できる通信サービスと比べると大きなハードルとなりました。

通信サービスの進化

同時期にYouTubeNetflixが急速に普及しました。

さらに

・LTEの高速化
・大容量通信プランの普及

により通信でも快適に動画を視聴できる環境が整いました。

 

【オススメ記事】

・古いスマホは遅くなる!?通信は悪くなるのか? 

・スマートフォンのアンテナの種類一覧


モバHO!とは何だったのか

NOTTVより前、2004年に開始されたのがモバHO!(モバイル放送)です。

衛星放送という仕組み

モバHO!は地上波でも通信でもなく衛星放送を利用していました。

具体的には放送衛星(MBSAT)から電波を送信し端末で直接受信する仕組みです。

特徴

・広いエリアで受信可能
・高速移動中でも比較的安定
・多チャンネル配信(テレビ・ラジオ)

当時としては先進的なモバイル向け放送サービスでした。

技術的な弱点

衛星放送の特性として屋内では受信しにくい・地下では受信できないという制約があります。これは電波が上空から直進して届くため建物や地形に遮られやすいためです。


なぜモバHO!は終了したのか

最大の要因はワンセグの登場です。

ワンセグの優位性

・無料
・携帯電話に標準搭載
・追加機器不要

これに対してモバHO!は

・有料
・専用端末が必要

という違いがありました。


その他の要因

・屋内での利用性が低い
・端末の選択肢が少ない
・コストが高い

これらにより、2009年にサービスを終了しました。


NOTTVとワンセグの違い

どちらも放送ですが、技術的には大きく異なります。


画質

ワンセグ:320×240
NOTTV:720×480

 → NOTTVの方が高画質です。

電波の使い方

ワンセグ:地デジ(UHF帯)の一部を利用
NOTTV:VHF帯の専用帯域を利用

視聴スタイル

ワンセグ:リアルタイム視聴のみ
NOTTV:蓄積型視聴に対応


なぜ「放送」から「通信」に変わったのか

現在はTVerYouTubeといった通信型サービスが主流です。

視聴の自由度

放送は時間に縛られるのに対し通信は好きな時間に視聴できます。

端末制約の違い

放送は専用チューナーが必要ですが通信はほぼすべてのスマートフォンで利用可能です。

通信インフラの進化

・4G/5Gの普及
・高速化と大容量化

により通信でもストレスなく動画視聴が可能になりました。


現在「ギガなし視聴」は可能か

完全に通信量ゼロにする方法は限定的です。

ワンセグ/フルセグ対応端末

現在ではほんの僅かな一部の機種でのみ利用可能通信量ゼロで視聴できます。

外付けチューナー

スマートフォンに接続して放送を受信、通信は使用しません。

レコーダーの持ち出し機能

自宅で録画した番組を事前にダウンロードし、外出先では通信なしで再生可能です。


結論

NOTTVやモバHO!は通信量を使わずに動画を視聴するという仕組みを実現したサービスでした。しかし対応端末の制約があることやビジネスモデル、通信サービスの進化により普及せず終了しました。

現在は通信型サービスが主流ですが通信量を使わずに動画を見るという考え方はスマホではすでに過去のものとなりつつある技術となっています。


※本記事は個人が技術理解のためにまとめた内容です。
内容の正確性には注意していますが、規格の更新や機器仕様の違いにより実際の動作や数値が異なる場合があります。
最新の仕様や詳細については、各メーカーや公式情報をご確認ください。
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