
スマートフォンや携帯電話には欠かせない SIMカード。しかし昔の携帯電話を知っている人ならこう思うかもしれません。「昔はもっと大きなSIMカードだったのに、まだどこかで残ってたりするのかな・・・!?」
現在のスマートフォンでは nanoSIM や eSIM が主流ですが、SIMカードはこれまでに何度も小型化を繰り返してきました。
この記事では
・SIMカードサイズの歴史
・なぜ小型化されたのか
・世界の現在の事情
をわかりやすく解説します。
SIMカードとは何か
SIMカードとはSubscriber Identity Module(加入者識別モジュール)の略で、携帯電話回線の契約情報を保存するICカードです。
SIMカードには主に次の情報が記録されています。
・契約者識別番号(IMSI)
・電話番号
・通信認証情報
・SMSなどの一部データ
SIMカードは「このスマホがどの回線契約なのか」を証明する身分証のような役割を持っています。
SIMカードサイズの歴史
SIMカードは携帯電話の進化とともに 徐々に小型化してきました。
標準SIM(Mini SIM)
登場:1990年代
サイズ 25mm × 15mm
昔の携帯電話で使われていたSIMカードです。
実はこのサイズの正式名称はMini SIMです。
さらに初期のSIMカードはクレジットカードサイズでした。
そのため当時はカード(クレジットカードサイズの型からSIMを切り取って(外して)使う形式になっていました。
microSIM
登場:2010年頃
サイズ 15mm × 12mm
スマートフォンの小型化に合わせて登場したSIMサイズです。
この規格を広く普及させたのがAppleのスマートフォンiPhone 4でした。
iPhone 4がmicroSIMを採用したことで世界中のスマートフォンメーカーが追随する形でmicroSIMを採用していきます。
microSIM時代に流行した「SIMカッター」
microSIMが登場した2010年前後、ユーザーの間で一部で流通していたのがSIMカッター
という工具です。
当時はまだ通信キャリアがmicroSIMを十分に提供しておらず多くのユーザーは従来の 標準SIM(MiniSIM) を使っていました。
しかし、スマートフォンを買い替えるタイミングで新しいスマートフォンではmicroSIMしか入らない機種が増え始めます。
そこで登場したのがSIMカードを物理的に小さく切る工具でした。
SIMカッターは穴あけパンチのような構造になっており、標準SIMを差し込んで押すだけでmicroSIMサイズに切り抜くことができます。
当時は
・家電量販店
・ネット通販
・スマホショップ
などで広く販売され、スマートフォンユーザーの間ではちょっとした話題になりましたが切断ミスやチップ破損、端末故障などのリスクもありました。
これとは逆の理論の商品でnanoSIM普及期ぐらいのころSIMサイズを大きい方向へ変えるアダプターのようなものも当時は店頭などで目にすることもありました。
nanoSIM
登場:2012年
サイズ 12.3mm × 8.8mm
現在もっとも広く使われている物理SIMカードです。この規格はETSI(欧州電気通信標準化機構)によって標準化されました。初めて採用されたスマートフォンはiPhone 5です。
nanoSIMはmicroSIMと比べて約40%小型化されておりICチップ周辺のプラスチック部分が大きく削減されています。
SIMカードが小さくなった理由
SIMカードの小型化にはいくつかの理由があります。
スマートフォン内部スペースの確保
スマートフォン内部には・カメラ・バッテリー・5Gモデム・Wi-Fi・アンテナなど多くの部品が搭載されています。SIMカードが小さいほど内部スペースを有効に使えるというメリットがあります。
デュアルSIM対応
最近のスマートフォンでは2枚のSIMを同時に使うデュアルSIM機能が普及しています。
SIMが小さいほど2枚のSIM搭載やeSIMとの併用がしやすくなります。
防水設計
ほぼすべてのスマートフォンは防水・高密度設計が進んでいます。
SIMカードが小さいほどSIMトレイのサイズも小さくできるため、防水設計にも有利になります。
昔の大きいSIMカードはどこへ?
結論から言うと完全に消えたわけではありません。
現在でも次のような機器では古いSIMサイズが使われています。
・産業機器
・車載通信
・IoT機器
・古い携帯電話
こうした機器は長期間運用されるため古いSIMサイズが今でも使われています。
実は今も残っている「大きいSIM」
現在キャリアが提供しているSIMカードは3サイズ対応(マルチサイズSIM)になっています。カードを取り外すことで
・標準SIM
・microSIM
・nanoSIM
すべてに対応できる構造になっています。そのため昔のSIMサイズも形式としては残っていると言えます。
世界では物理SIMが減りつつある
現在のスマートフォンではeSIMへの移行が進んでいます。
eSIMとはスマートフォン内部にSIM機能を組み込む仕組みです。SIMカードを差し替える必要がなくQRコードなどで通信契約を登録できます。
eSIMを積極採用しているメーカー
・Apple
・Google
・Samsung
最近のスマートフォンでは
nanoSIM+eSIMまたはeSIMのみ(デュアルeSIM)という構成も増えています。
アメリカでは物理SIMが廃止
アメリカ版のiPhone 14以降のモデルでは物理SIMスロットが廃止されています。
完全にeSIM専用となっています。
日本ではまだnanoSIMが主流
日本では現在nanoSIM+eSIMの構成が主流です。
理由は
・キャリア契約の仕組み
・端末販売の文化
・SIMカード運用
などがあるためです。
ただし今後は世界と同じくeSIM中心へ移行すると考えられています。
まとめ
SIMカードは次のように進化してきました。
| 世代 | サイズ |
|---|---|
| 標準SIM(Mini SIM) | 25 × 15mm |
| microSIM | 15 × 12mm |
| nanoSIM | 12.3 × 8.8mm |
| eSIM | カードなし |
かつては SIMカッターでカードを切って使う時代もありましたが、
現在は SIMカード自体が消えつつある時代に入っています。
将来的にはSIMスロットがないスマートフォンが主流になる可能性があります。