
現在のスマートフォンのSoC市場は
- Qualcomm
- MediaTek
- Apple
- Samsung Electronics
などの企業が中心になっています。
しかし実は2000年代、携帯電話向け半導体では日本企業が世界トップクラスでした。
ガラケー時代、日本には
- NEC
- ルネサスエレクトロニクス
- 富士通
- パナソニック
などの強い半導体メーカーがありました。
さらに携帯電話メーカーとしては
- シャープ
- ソニー
なども世界的に有名な存在でした。
しかしスマートフォン時代に入るとこれらの企業は携帯半導体の中心から姿を消してしまいます。
■ ガラケー時代は日本が最先端
2000年代、日本の携帯電話市場は世界でも最も進んだ市場と言われていました。
当時の日本のガラケーには
-
カメラ
-
モバイル決済
-
インターネット
-
テレビ(ワンセグ)
などが搭載されていました。
この時代、日本の携帯電話メーカー
- NTTドコモ
- KDDI
- ソフトバンク
向けに日本の半導体メーカーが多くのチップを供給していました。
また端末メーカーとしても
- シャープ
- 富士通
- NEC
- パナソニック
など多くの企業が参入していました。
つまり当時の日本には国内市場だけで成立する巨大な携帯エコシステムが存在していたのです。
■ 日本独自規格の問題
しかし日本の携帯電話には大きな特徴がありました。
それが独自規格です。
例えば
- iモード
- FeliCa(おサイフケータイ)
- ワンセグ
- 独自UI
などです。
これらは日本では非常に便利でしたが海外ではほとんど普及しませんでした。
その結果日本の携帯半導体や携帯電話は海外市場で広がらないという状況になりました。これはよく携帯電話のガラパゴス化と呼ばれます。
■ スマートフォンでSoC競争へ
2007年、携帯業界の流れを大きく変えたのがiPhoneの登場です。
スマートフォンでは
- CPU
- GPU
- 通信モデム
- カメラ処理
などを統合したSoC(System on a Chip)が中心になります。
この分野で急成長したのがQualcommでした。QualcommはSnapdragonシリーズを開発しAndroidスマートフォンの多くに採用されるようになります。
■ 日本メーカーのその後
ガラケー時代に強かった日本の携帯半導体メーカーはスマートフォン時代に入りそれぞれ違う道を歩みました。
NEC
NECはかつて携帯電話や通信機器の大手メーカーでした。
しかしスマートフォン時代になると携帯端末事業は縮小され、現在は
- 通信インフラ
- 5G基地局
- ITサービス
などを中心とする通信・IT企業として事業を展開しています。
ルネサスエレクトロニクス
ルネサスエレクトロニクスはNEC・日立・三菱電機の半導体部門が統合して誕生した日本最大級の半導体企業です。ガラケー時代は携帯電話向けチップを開発していましたが、スマートフォンSoC市場では競争に敗れました。
現在は
- 自動車向け半導体
- 産業機器
- マイコン
などの分野で世界トップクラスの企業になっています。特に車載半導体では世界有数のメーカーです。
富士通
富士通はガラケー時代、携帯電話や携帯向け半導体の開発を行っていました。
現在は
- ITサービス
- AI
- スーパーコンピューター
などを中心としたITインフラ企業へと事業の軸を移しています。
パナソニック
パナソニックもガラケー時代は携帯電話メーカーとして強い存在でした。
しかしスマートフォン市場では
- Apple
- Samsung Electronics
- 中国スマートフォンメーカー
との競争に敗れ、携帯電話事業は大きく縮小しました。
現在は家電・車載電池・電子部品などが主力事業になっています。
■ 現在もスマホを作る日本メーカー
スマートフォン市場では日本メーカーの存在感は小さくなりましたが現在でもスマートフォンを製造している企業があります。
例えばシャープ、ソニー、京セラ、FCNTです。
シャープ
シャープ はAQUOSスマートフォンを展開しています。
現在のシャープは台湾のFoxconn傘下ですが、日本国内ではAndroidスマホの販売台数で上位に入るメーカーです。
また高品質ディスプレイ、カメラ技術などでも強みを持っています。
ソニー
ソニー はXperiaシリーズを展開しています。
ソニーのスマートフォンはカメラ性能、映像技術、オーディオなどに強みがあります。
またソニーはスマートフォン用カメラセンサーで世界最大シェアを持つ企業でもあります。そのためApple・Samsung Electronicsなど多くのスマートフォンにもソニー製センサーが使われています。
京セラ
京セラは現在でもスマートフォン事業を続けています。
特に法人向けや高耐久スマートフォンといった分野で強みがあります。
建設業や警備など過酷な環境で使うスマートフォンとして採用されています。
FCNT(旧 富士通モバイル)
FCNTはもともと富士通の携帯電話事業から生まれた会社です。代表的なブランドはarrowsシリーズです。FCNTは2023年に経営破綻しましたが現在はLenovoグループの傘下で事業が再建されています。
■ 日本企業は部品で強い
スマートフォンSoCでは日本企業は少なくなりましたが、現在でも重要部品では世界トップクラスの企業が多くあります。
例えば
-
ソニー(カメラセンサー)
-
村田製作所(通信部品)
-
Kioxia(フラッシュメモリ)
などです。つまり日本企業はスマートフォンの中核部品で重要な役割を担っています。
■ まとめ
ガラケー時代、日本は携帯電話技術の世界的中心でした。
しかしスマートフォン時代になるとSoC開発競争・世界市場への対応・中国メーカーの台頭などの要因により日本メーカーのシェアは大きく減少しました。
それでも現在のスマートフォンには
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カメラセンサー
-
通信部品
-
メモリ
など多くの日本企業の技術が使われています。
スマートフォンの内部には今でも日本の技術が数多く存在しています。