― コアネットワークを“誰が握っているか”で決まる ―

目次
■ 結論
MVNO(格安SIM)には構造的に大きく分けて2つの形態があります。
- ライトMVNO
- フルMVNO
違いは明確です。
加入者情報(SIM・認証・コア制御)を自社で持つかどうか。
■ MVNOとは何か?
MVNOはNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなどのMNO(基地局を持つ事業者)から回線を借りてサービス提供する事業者です。
ただし“借り方”にレベル差があります。
■ ライトMVNOとは?
構造的特徴
- SIM発行主体はMNO側
- HLR/HSS(加入者管理DB)はMNO側
- 認証や位置登録はMNO依存
- MVNOは主に帯域とブランドを提供
つまり、回線の再販モデルに近い構造
日本の代表例(ライト寄り)
- mineo
- OCN モバイル ONE
- LinksMate
- LIBMO
※これらは加入者管理を自社で完全保有しているわけではなく、
MNO依存型の構造を取っています。
■ フルMVNOとは?
構造的特徴
- SIMを自社発行
- HLR/HSS(加入者情報DB)を自社保有
- 認証制御を自社で実施
- 国際ローミング制御も可能
無線区間以外はほぼ自前で制御します。
日本の代表例
- IIJ
IIJは2018年以降、
フルMVNOとして加入者管理機能を自社運用しています。
日本では数少ない「フルMVNO」として業界で認識されています。
■ IIJはライトなのかフルなのか?
ここがややこしい点です。
IIJは
- B2Cブランド(IIJmio)ではMNO接続型
- 一方で法人向け・IoT向けではフルMVNO構成
という混在モデルを取っています。
そのため、
IIJ=ライトMVNO
IIJ=フルMVNO
どちらの説明も文脈によって成立します。
これは業界でも誤解されやすいポイントです。
■ フルとライトで何が変わるのか?
① SIMの自由度
フルMVNOは
- グローバルSIM
- IoT特化SIM
- 海外現地接続型SIM
など高度な設計が可能。
② 5G時代の拡張性
5G SAでは
- ネットワークスライシング
- QoS細分化
- ローカルブレイクアウト
など高度な制御が重要になります。フルMVNOのほうが設計自由度は高い傾向にあります。
③ 速度との直接関係は?
重要なのはここです。フルかライトかで速度が直接決まるわけではありません。
速度を左右するのは:
- MNOとの接続帯域
- 混雑制御
- 優先度設計
です。
■ まとめ
| 項目 | ライトMVNO | フルMVNO |
|---|---|---|
| SIM発行 | MNO | 自社 |
| HLR/HSS | MNO依存 | 自社保有 |
| 制御自由度 | 低め | 高い |
| 参入難易度 | 低い | 高い |
| 代表例 | mineo / OCN / BIC SIM | IIJ |
フルMVNOは
“小規模だが構造的には通信キャリアに近い存在”
ライトMVNOは
“回線再販型ブランド”に近い存在
これが技術的な本質です。
■ 補足
「ライトMVNO」「フルMVNO」は法的な区分ではなく、ネットワーク構成上の業界的な分類です。
事業者によっては両構造を併用しているケースもあります。