スマホ衛星通信の世界シェア 宇宙と携帯ネットワークの競争

スマートフォンが通信衛星と直接通信する技術は、ここ数年で急速に注目されている分野です。

従来、衛星通信は

  • 衛星電話
  • 船舶通信
  • 航空機通信
  • 軍事通信

など、特殊な用途で使われる技術でした。

しかし近年では一般のスマートフォンが直接衛星と通信する「Direct-to-Device」や「Direct-to-Cell」と呼ばれる技術が登場し、新しい通信インフラとして世界中の企業が参入しています。

この分野はまだ市場が立ち上がったばかりですが、すでにいくつかの主要プレイヤーが存在します。

目次

スマホ衛星通信の主要プレイヤー

現在、スマートフォン衛星通信に関わる主な企業は次の通りです。

企業主なサービス
SpaceXStarlink Direct-to-Cell
AST SpaceMobileスマホ直接通信衛星
GlobalstariPhone衛星SOS
Iridium Communications衛星電話・IoT
Lynk Global小型衛星D2D

これらの企業は、いずれも低軌道衛星(LEO)コンステレーションを利用しています。

低軌道衛星は高度が低いため通信遅延が小さく小型端末でも通信しやすいという特徴があります。

Starlink(SpaceX)

現在、衛星通信インフラとして最も大きな規模を持つのがStarlink です。

これはSpaceX が運用する低軌道衛星ネットワークで、2025年頃には7000機以上の通信衛星が軌道上に存在すると報告されています。

StarlinkはDirect-to-Cellと呼ばれる技術を開発しており、将来的には

  • SMS
  • 音声通信
  • データ通信

をスマートフォンと衛星の直接通信で実現することを目指しています。

この方式は携帯キャリアと提携する形で提供される予定です。

AST SpaceMobile

スマホ衛星通信専業企業として注目されているのがAST SpaceMobile です。

この会社は巨大な展開型アンテナを搭載した衛星を使い、一般的なスマートフォンと直接通信することを目的としたネットワークを開発しています。

実証実験では通常のスマートフォンと宇宙にある衛星の直接通信が確認されています。

また

  • Vodafone
  • AT&T
  • Rakuten Mobile

など複数の通信事業者と提携しています。

Globalstar(Apple衛星SOS)

Globalstar はAppleの衛星通信サービスを支えている企業です。

iPhone では緊急SOS衛星通信機能が搭載されており、携帯電波が届かない場所でも

緊急メッセージを衛星経由で送信できます。ただしこのサービスは

  • 緊急通信
  • メッセージ通信

などに限定されており通常のインターネット通信とは異なります。

Iridium(衛星通信の老舗)

衛星通信業界で長い歴史を持つ企業がIridium Communications です。

同社は約66機の低軌道衛星によって地球全体をカバーしています。

主な用途は

  • 船舶通信
  • 航空通信
  • 軍事通信
  • 衛星IoT

などです。

また日本ではNTTドコモ がイリジウムの衛星通信サービスを取り扱っています。

スマホ衛星通信の実質的な勢力図

この市場はまだ初期段階のため、明確な「市場シェア」は存在していません。

その代わり現在は次のような勢力図で語られることが多いです。

分野企業
衛星インターネットStarlink
スマホ直接通信AST SpaceMobile
iPhone衛星通信Globalstar
衛星電話・IoTIridium

用途ごとにプレイヤーが分かれている状態です。

市場は今後大きく成長する可能性

スマートフォン衛星通信市場は今後大きく成長する可能性があります。

市場予測では2024年 約25億ドル

2030年代 数百億ドル規模まで拡大する可能性が指摘されています。

もしスマートフォンと衛星通信が一般化すれば通信インフラは地上基地局、海底ケーブル、通信衛星が組み合わさるハイブリッドネットワークになる可能性があります。

つまり将来は山間部・海上・砂漠などでも、スマートフォンが普通につながる時代が来るかもしれません。

【関連記事】

・スマホが宇宙とつながる時代  “昔の衛星電話”は何が違うのか


本記事は公開されている情報・企業発表・市場調査資料などをもとに作成した技術解説記事です。衛星通信市場は現在急速に変化しており、衛星数、サービス内容、提携関係、通信仕様などは今後変更される可能性があります。またスマートフォン衛星通信はまだ商用化の初期段階にあり、記事内の市場規模予測や将来計画は必ずしも実現を保証するものではありません。本記事は投資判断や事業判断を目的としたものではなく、通信技術の一般的な理解を目的とした解説記事です。

  • URLをコピーしました!
目次