
海外スマホを調べていると、よくこんな疑問が出てきます。
「同じスマホなのに技適番号が違う」、「容量違いでも技適は別なの?」
たとえば同じ機種でも
- 256GBモデル
- 512GBモデル
- RAM 8GB / 12GB
といったバリエーションがあります。
この場合、技適は別になるのでしょうか?
結論から言うと、容量違いだけなら同じ技適であることがほとんどです。
ただし、スマホの世界では同じ名前なのに技適が違うケースも存在します。
そこにはスマホの無線設計が大きく関係しています。
技適はスマホ全体ではなく「無線装置」の認証
日本の電波法では、スマホは技術基準適合証明(通称:技適)という認証を取得する必要があります。ただし、この認証はスマホ全体ではなく「電波を出す装置」に対して行われます。つまり審査されるのは次のような部分です。
- 5G / LTEモデム
- Wi-Fi
- Bluetooth
- NFC
- アンテナ設計
- 送信出力
逆に言うと、次のような要素は基本的に関係ありません。
- ストレージ容量(256GB / 512GB)
- RAM容量(8GB / 12GB)
- カメラ性能
- ディスプレイ
- CPUクロック
そのためメーカーは、容量違いのモデルを「同じ技適」でまとめるという設計をよく採用しています。
容量違いは基本的に同じ技適
たとえばスマホのモデル構成はよくこうなっています。
| モデル | RAM | ストレージ | 技適 |
|---|---|---|---|
| モデルA | 8GB | 256GB | 同じ |
| モデルA | 12GB | 256GB | 同じ |
| モデルA | 12GB | 512GB | 同じ |
この場合、すべて同じ技適番号になります。
理由はシンプルで無線部分が完全に同じだからです。
スマホのストレージやRAMが変わっても電波の出方は変わらないため追加認証は不要という考え方です。
しかし「同じスマホなのに技適が違う」こともある
ここからが少しややこしいところです。
スマホの世界では同じ機種名なのに技適が違うというケースが普通にあります。
これはなぜかというと、無線設計が違うからです。
理由① 対応バンドが違う
一番多いのがこれです。
例えば同じ機種でも
| モデル | 対応バンド |
|---|---|
| 中国版 | n1 / n3 / n78 |
| グローバル版 | n1 / n3 / n28 / n78 |
| 日本版 | n1 / n3 / n28 / n77 / n79 |
こうなると
- RF回路
- フィルター
- アンテナ
が変わるため、別の技適認証になります。
特に日本ではn79(4.5GHz帯)があるため、日本専用設計のスマホも少なくありません。
理由② 無線チップが違う
同じ機種でも、
- Snapdragon版
- MediaTek版
というようにSoCが違う場合があります。
この場合はモデム自体が違うため当然ながら技適も別になります。
理由③ Wi-Fi仕様が違う
最近はWi-Fiも世代が増えています。
- Wi-Fi 6
- Wi-Fi 6E
- Wi-Fi 7
例えば
- 6GHz帯対応(Wi-Fi 6E)
- 非対応
などの違いがあると、これも無線装置が別扱いになります。
メーカーはできるだけ技適をまとめたい
ちなみに、メーカーが技適を取るには
- 試験
- 書類
- 認証手続き
などが必要で、数百万円単位のコストがかかると言われています。
そのためメーカーはよくこうします。
無線部分は完全共通設計そのうえで
- RAM違い
- ストレージ違い
- カラー違い
といったバリエーションを作ります。
こうすることで1つの技適で複数モデルをカバーできるわけです。
海外スマホを見るときのポイント
海外スマホを調べるときは
- 機種名
- RAM容量
- ストレージ容量
よりも、実は無線仕様を見る方が重要です。
例えばXiaomiやSamsungのスマホでも
- 中国版
- グローバル版
- 日本版
で技適がまったく別ということは珍しくありません。
つまり、「同じスマホでも中身の無線が違う」ということが、スマホの世界では普通に起きているのです。